珍夜特急2012

深夜特急のような酔狂な旅に憧れて、ユーラシア大陸横断の放浪旅へ

ワレ到着セリ。

アムステルダムを発ったバスは、とうとう旅の終着地ロンドンへ。約300日間にわたり、陸路で駆け巡ったユーラシア大陸横断の旅もいよいよ終わりである。(*写真はロンドンのシンボル、タワー・ブリッジ) IMG_0576.JPG ロンドンには朝7時半に到着。ロンドンの地下鉄はたった一駅間の1回券でも4.3£(約560円)と割高なので、安上がりの1日乗車券8.4£(約1,100円)を購入して宿に向かった。 IMG_0627.JPG ロンドンでは「Dover Castle Hostel」というユースホステルに宿泊。12人部屋ドミトリー(Wi-Fi、朝食付き)で一拍10£(約1,300円)。チェックインを終えて早速、町を散策。まず向かったのは、世界で最も有名な橋といわれる「タワー・ブリッジ」。 IMG_0599.JPG タワー・ブリッジは1894年にかけられたゴシック様式の跳ね橋で、ロンドンの象徴でもある。運が良ければ橋が開くところを見れるらしい。 IMG_0756.JPG 続いて向かったのは、国会議事堂の「ウェストミンスター宮殿」。その横に立つのは「ビッグ・ベン」の愛称で親しまれる時計塔。これもロンドンの象徴としてあまりにも有名。 IMG_0754.JPG ちなみに、日本の学校でおなじみの「キンコンカンコーン」というチャイムは、このビッグ・ベンの鐘の音がルーツとなっているらしい。 IMG_0808.JPG 続いてとある横断歩道へ。さて、この横断歩道、なんだか分かりますか? IMG_0829.JPG 正解はこれ。誰もが一度は見たことがある写真かと思いますが、実はビートルズのアルバム「ABBEY ROAD」のジャケットに使用された横断歩道なのです。 IMG_0796.JPG この横断歩道(アビーロード)では、ジャケットと同じような格好で撮影しようとするビートルズファンが絶えない。 IMG_0803.JPG しばらく周辺をウロウロしていると、ポールとジョージとリンゴ風の3人組に「君、ちょっとジョン・レノン役で写ってくんない? 1人足りないんだ」と頼まれ、4人で一緒に写真撮影。写真データを送ってくれると言ってたのに、未だに届いてないんだよね… IMG_0895.JPG そして、ついにあの「トラファルガー広場」に到着。トラファルガー広場といえば、深夜特急沢木耕太郎が「ワレトウチャクセズ」と、近くにある中央郵便局前の公衆電話から電報を打った場所だ。ちなみに猿岩石がゴールした場所もトラファルガー広場だった。 IMG_0864.JPG 自分もいつの日かロンドンに着いたら、この場所から電報を打とうと考えていた。だが、そんなことはもうどうだってよかった。今、この場所にいることで満足だ。そして心の中でつぶやく。「ワレ到着セリ…」と。 IMG_1228.JPG 夜、タワー・ブリッジを見ながら思い出にふける。これまで通ってきた国々の情景や、出会った人々の顔が頭を過ってゆく。ほんとに長く果てしない旅だった… IMG_1544.JPG 今年の1月、韓国から始まったユーラシア大陸横断の旅は、ここに終わりました。振り返ってみると、この旅では世界32カ国、約150もの都市を訪れました。国内情勢やビザの問題でパキスタンとシリアは通り抜けできませんでしたが、基本的にロンドンまでほぼ陸路で行くことができ、陸路でしか味わえない、まさに「深夜特急」のような酔狂な旅をすることができました。 中国では出発7日目にして一眼レフを盗まれ、ネパールではバスの上から飛び降りて足を骨折し、インドでは食中毒で入院。そして、ロンドンからの帰国便で人生初のロストバゲージ。まさかこのタイミングで?!とバックパックを預けたことを悔やみましたが、無事ローマで発見され、我が家に戻ってきたのは帰国してから1週間後のことでした。(更新が遅れたのはそのためです) と、まぁ最後までトラブルの絶えない旅でしたが、今となってはいい思い出です。 今回で当ブログは終わりですが、このブログがいつか旅立つ方への手助けになれば幸いです。 また、ルートMAPには、各町への移動手段と費用・所要時間を記載していますので、こちらも旅の参考にしていただければと思ってます。 最後に、今まで珍夜特急をご愛読いただきまして、本当にありがとうございました! それでは、また「珍夜特急2」でお会いしましょう。さようなら。

20012年11月22日 yoshif

マリファナの町 アムステルダム

ベルギーの旅を終えて、次に向かったのはオランダの首都アムステルダム。運河に囲まれた美しい町並みは「北のヴェネツィア」とも呼ばれるほどだとか。そんな麗しい町のイメージとは対照的に、この町には裏の顔が存在する。(*写真はアムステルダムの町並み) IMG_0235.JPG アムステルダムまでは、アントワープからユーロラインの国際バスで所要3時間、料金は17€。 IMG_0240.JPG アムステルダムでは「Stayokay Amsterdam Zeeburg」というユースホステルに宿泊。5人部屋ドミトリー(Wi-Fi、朝食付き)で一泊36€。この旅で一番高額な宿となった。 IMG_0248.JPG チェックインを終えて早速、町をぶらついてみる。アムステルダムの町は、運河がクモの巣状に張り巡らされているため、歩いているとすぐに川や橋にぶち当たる。 IMG_0266.JPG 川にいる鴨たちは、人馴れしているのか、カメラを向けると近寄ってきた。 IMG_0303.JPG まるでヴェネツィアのような景色。さすが「北のヴェネツィア」と呼ばれる由縁。 IMG_0308.JPG アムステルダムはチャリが多い。 IMG_0377.JPG 日も暮れ、一段と寒くなってきたので、そろそろ宿へ戻ることに。 IMG_0391.JPG 帰り道、おもしろそうな雑貨屋さんがあったので立ち寄ってみる。 IMG_0382.JPG ネバーエンディングストーリーに出てきそうな木人のお香立て。つい衝動買いしてしまった。 IMG_0396.JPG 宿に戻ると、同部屋の自称モンク(僧侶)の西洋人に、コーヒーショップに行かないかと誘われ一緒に出かけることに。はじめ僕は、喫茶店でコーヒーを飲むのかと思っていた。だがオランダでコーヒーショップとは、大麻屋さんのことだったとはこのとき初めて知った。そういや、この国では大麻が合法だった。彼はパキスタン産のブツを購入すると、ホクホク顔で宿へ戻り、事を終えると1時間の瞑想に入った。やっぱアムステルダムには、これ目当てでやって来る外国人も多いんだろうね。 IMG_0474.JPG 翌日、再び町をぶらついてみる。天候は思わしくない。とにかく寒い。 IMG_0406.JPG ダム広場にある王宮。 IMG_0469.JPG アムステルダム一番の観光スポットは、「アンネの日記」のアンネ・フランクが過ごした家。 IMG_0485.JPG さすが人気の観光スポット。家を囲うようにして100mくらいの行列ができていた。 IMG_0492.JPG アンネ・フランク銅像IMG_0517.JPG 町一番の歩行者天国、カルファー通りを歩いてみる。 IMG_0544.JPG よく見ると、あちこちにマリファナマジックマッシュルームなどのソフトドラッグ専門の店があることに気づいた。 IMG_0547.JPG マリファナ入りのクッキーやキャンディも堂々と売られている。 IMG_0527.JPG ジュースもまた然り。 IMG_0523.JPG 種も普通に売られている。日本の某有名大学の学生が、自宅で大麻栽培をして捕まったというニュースを、昨年よく耳にしたが、まさかこんなにも簡単に入手できてしまうとはね。 IMG_0536.JPG コーヒーショップの横を通り過ぎると、大麻独特の焦げ臭い香りが漂う。 IMG_0518.JPG マリオまでこんな風になっちゃって… IMG_0537.JPG あ〜あ、タンタンも吸っちゃってるよ… IMG_0563.JPG アムステルダムは自分にとって、面白みに欠ける、ただ寒くて、焦げ臭い町だなという印象しか残らなかった。この町に寄ったのは些か蛇足だったのかもしれない… IMG_0569.JPG そしてこの日、ついに旅の終点であるロンドンへ夜行バスで向かうことに決めた。約10ヶ月に渡り、だらだらと書き綴ってきたユーラシア大陸横断ブログも、次回で終わりです。

パトラッシュ、僕はもう疲れたよ…

ブリュッセルの次に向かったのは、ベルギー第2の都市アントワープ。日本人にとっては、ネロとパトラッシュでおなじみ、アニメ「フランダースの犬」の物語の舞台として有名な町だ。そんなアントワープで、少年ネロが永遠の眠りについた「ノートルダム大聖堂」を訪れた。(*写真はルーベンスの「キリストの降架」) IMG_9599.JPG ブリュッセルからアントワープまでは列車で約40分。料金は6.9€だった。 IMG_9617.JPG 立派な外観のアントワープ中央駅。 IMG_0232.JPG アントワープでは「Alias Youth Hotel」というユースホステルに宿泊。4人部屋ドミトリー(Wi-Fi、朝食付き)で一泊19.5€。到着した日は夜も遅かったので、翌朝から町を散策開始。 IMG_0217.JPG アントワープは、ダイヤモンドの研磨と取引が世界一の町でもある。それ故、町にはダイヤモンドのお店が数多く立ち並んでいる。 IMG_0225.JPG 昨夜も気になっていたんだが、町のいたるところで黒のスーツに黒のシルクハットを着用した正統派ユダヤ人を多く見かける。こんなにユダヤ人を見たのはエルサレム以来だ。彼らはダイヤモンドとも深い関わりがあるようで、ダイヤモンドを研磨する円盤を発明した人がベルギー出身のユダヤ人だったため、この町のダイヤモンドの取引や研磨・カットは全てユダヤ人の手に握られているそうだ。 IMG_0105.JPG 町の中心にあるフルン広場。奥に見えるのがノートルダム大聖堂IMG_0082.JPG フルン広場に立つ、画家ルーベンス銅像IMG_0136.JPGフランダースの犬」において、主人公のネロが見たがっていたノートルダム大聖堂の絵画である「キリストの昇架」と「キリストの降架」の作者はルーベンスで、ネロが祈りを捧げていたノートルダム大聖堂のマリアも、ルーベンスが描いた「聖母被昇天」である。(*Wikipediaから抜粋) IMG_9646.JPG 教会の前には、トヨタが寄贈したフランダースの犬のベンチがある。外国人も撮影してます。 IMG_9656.JPG ベンチには「フランダースの犬 − この物語は悲しみの奥底から見出す事の出来る本当の希望と友情であり、永遠に語り継がれる私達の宝物なのです。」と書かれている。 IMG_0159.JPG ベンチの中央に描かれているネロとパトラッシュ。 IMG_9680.JPG ノートルダム大聖堂は1351年から約170年もの歳月をかけて建てられたベルギー最大のゴシック教会。ネロ少年はこの教会で天に召されるのです。 IMG_9673.JPG 門の入口には並ぶ美しい彫刻たちがお出迎え。それでは中へ。 IMG_9684.JPG 入場料は5€。ちゃんと日本語で書かれたガイドパンフレットも用意してあります。 IMG_9695.JPG 純白が基調の美しい聖堂内。 IMG_9880.JPG 天井に吊るされた巨大な十字架。 IMG_9791.JPG 光が差し込んだ美しいステンドグラス。 IMG_9766.JPG 火が灯ったロウソク。 IMG_9976.JPG 聖堂内では、ルーベンスをはじめとした多くの画家たちの宗教画を拝見することができる。教会というより、どちらかというと美術館のような感じだ。 IMG_9731.JPG この絵がルーベンス作の「キリストの昇架」。ゴルゴダの丘にて、十字架を背負ったキリストが吊るし上げられる様子を描いた作品です。 IMG_9807.JPG そしてこの絵がルーベンス作「聖母被昇天」。ネロ少年が祈りを捧げていた絵です。 IMG_9717.JPG ところで、「フランダースの犬」の最終回の内容を覚えているでしょうか? まずは、ネロの住む村の村長の風車が火事になってしまうところから。放火の疑いがかけられたネロ(もちろん潔白)は、ミルク運びの仕事を失い、家賃も払えず家を追い出されてしまいます。ネロは絵画コンクールでの賞金に望みをかけますが、残念ながら落選してしまいます。 IMG_9793.JPG ところが、審査員の一人が、えらくネロの絵を気に入り、ルーベンスの後を継ぐ才能を秘めているとまで言って、ネロを養子にしたいと、村長の家まで申し出にやってくるのです。村長ショック。村のみんな総出で吹雪の中、ネロの捜索をしますが、時すでに遅し。 IMG_9899.JPG ネロは家を明け渡し、吹雪の中ノートルダム大聖堂に向かいます。そこで、いつもカーテンに隠されていたルーベンスの「キリストの降架」(*写真)を初めて見ることができ、満足したネロは、「僕はもう疲れたよ…」とパトラッシュに告げ、天へと召されてゆくのです。 IMG_0019.JPG 昔、うちの母親がフランダースの犬の最終回を見て号泣していたのを鮮明に覚えている。当時、自分は8歳か9歳だったと思うが泣きはしなかった。でも今見たらきっと泣くだろうな… 「パトラッシュ、僕も旅に疲れたよ…」

おかしな国 ベルギー

フランスの旅を終えて、次に訪れたのはベルギーの首都ブリュッセル。町にはチョコレートやワッフルをはじめとした、魅力的なお菓子屋さんがいっぱい並び、そこら中から甘い匂いが漂ってくる。そんなスイーツ天国ベルギーのお菓子屋さんをのぞいてみた。 IMG_9266.JPG パリからブリュッセルまでは、ユーロラインの国際バスで所要4時間。料金は27€だった。 IMG_9269.JPG ブリュッセルでは「Centre Vincent van Gogh-CHAB」というユースホステルに宿泊。4人部屋ドミトリー(Wi-Fi、朝食付き)で、一泊23€。宿泊客が多いせいか、Wi-Fiは繋がりにくくて不便だった。 IMG_9377.JPG 到着した日は夜だったので、翌朝から町をぶらついてみる。まず向かったのは「グラン・プラス」と呼ばれる大広場。 IMG_9400.JPG この大広場は「市庁舎」「王の家」「ギルドハウス」といった美しい歴史的建造物に周りを囲まれており、“世界で最も美しい広場”と称されているらしい。 IMG_9541.JPG 広場の中央に立ってみると、その素晴らしさがよく分かる。写真じゃ伝えきれないのが残念。 IMG_9388.JPG グラン・プラスにあるGODIVAでは、パティシエが苺のチョコレートを作っている最中。 IMG_9390.JPG よだれが出そう… IMG_9302.JPG 続いて、ヨーロッパ最古のアーケード街といわれる「ギャルリー・サンチュベール」へ。 IMG_9308.JPG アーケードの両サイドには、チョコレートのお店がいっぱい。 IMG_9309.JPG 大きなリスのチョコレート。 IMG_9357.JPG 凝ったデザインのチョコレートも。 IMG_9351.JPGカロンもあります。 IMG_9318.JPG 人形屋さんもたくさん。 IMG_9334.JPG ピノッキオ。 IMG_9345.JPG メリーゴーランド。 IMG_9336.JPG おとぎの国みたいだったプラハを思い出します。 IMG_9362.JPG ギャルリーを出ると、おかしなモニュメントを発見。 IMG_9558.JPG おかしな店も発見。なんだよ「極度乾燥(しなさい)」って… IMG_9367.JPG ギャルリーの外にも、町にはたくさんのお菓子屋さんが並んでいる。 IMG_9368.JPG クッキー屋さん。 IMG_9372.JPG 板チョコ屋さん。 IMG_9531.JPG そして、忘れてはならないベルギー名物ワッフル屋さん。 IMG_9505.JPG おかしなジャックランタンおじさんがいたのでパチリと。 IMG_9477.JPG ブリュッセルの名物といえば、チョコレートやワッフルだけじゃない。さて、人々が大勢集まるこの場所にあるものとは一体なんでしょう? IMG_9495.JPG 正解は、世界三大がっかりのひとつ、元祖「小便小僧」でした。まぁ、もとから期待してなかったから、がっかりはしなかったけどね。 IMG_9485.jpg クリスマスの日にはサンタの服を着たり、いろいろバージョンがあるみたいだけど、この日はオリジナルバージョンの素っ裸だった。前日が10月31日だったから、ハロウィンバージョンかと少し期待していたのにな… そういった意味では、がっかりだ。 IMG_9438.JPG 小便小僧の近くで1€ワッフル屋を発見。これは食べねば! IMG_9455.JPG うまそーだけど1€のワッフルって、結局チョコもクリームもついてないシンプルなワッフル。それでもいい。ここは1€にこだわりたい。 IMG_9462.JPG というわけでベルギーで本場のワッフルを頂いて大満足。もう思い残すことはない。 IMG_9454.JPG ブリュッセルは見所が集中しているので、まわろうと思えば半日で十分な町だった。夜にライトアップされたグラン・プラスも美しいと評判らしいので見てみたかったが、結局夜を待たず、次の町アントワープへと旅立った。

弾丸パリ

いよいよ旅も終盤戦。とうとうパリへとやって来た。やはりニューヨークや東京などと肩を並べる大都市だけあって、町全体がデカく、それなりに見所も多い。なのに、次のブリュッセル行きの日程を決めてしまったため、パリに滞在できる時間はたった1日半。というわけで時間が許す限り、パリを代表する有名どこを巡ってみた。(*写真は凱旋門IMG_8261.JPG レンヌからパリまでは、列車で2時間ちょい。ユーロラインのバス(30€)で行く予定だったが、すでに満席だったため仕方なく列車(58€)で向かった。 IMG_8805.JPG 今回も滞在先はカウチ。彼がお世話になったマロワンさん。カサブランカ出身のモロッコ人。日本の漫画やアニメが好きな彼は「バキ」が一番のお気に入りらしい。パリに着いた日は夜も遅かったので、フランスで連日放送しているワンピースを見ながら就寝。 IMG_8271.JPG 翌日、とりあえずコンコルド広場に行ってみる。広場に建つオベリスクはエジプトのルクソール神殿から持ってきたもの。そういえば、ルクソールでそんな話を聞いたな。 IMG_8285.JPG この日も、どんよりとした曇り空。気温も一桁代。そろそろ冬の到来が迫ってきているようだ。 IMG_8336.JPG コンコルド広場から凱旋門に続く道は、有名なシャンゼリゼ通り。 IMG_8351.JPG 凱旋門まで歩いてみたが、テンションが上がらない。僕が好んで行くような場所ではないようだ。 IMG_8499.JPG とりあえず、エッフェル塔にも足を運んでみる。「ああ、パリか…」ぐらいにしか感じない。ダメだ…全然ワクワクしない。 IMG_8494.JPG とりあえず、エッフェル塔の下まで行ってみよか。 IMG_8553.JPG すごい行列。これ全員エッフェル塔に登るために並んでるのかな。 IMG_8673.JPG 下からパチリと。興味はないけど、一応撮っとかないとね。 IMG_8657.JPG 塔の近くで発見した、たくさんのクマの人形。これは、ドイツの首都ベルリンの象徴である熊をモチーフに、ドイツと友好関係のある国連加盟各国のアーティストがデザインした、通称「ユナイテッド バディ ベアーズ」と呼ばれるもの。 IMG_8630.JPG 「ユナイテッド バディ ベアーズ」は、世界平和を願って、2002年にベルリンから始まったアートイベントらしい。で、今回はエッフェル塔というわけ。2005年には六本木ヒルズでも開かれてたみたい。知らなかった。 IMG_8566.JPG 全部で140体の各国代表のカラフルなクマたちが、エッフェル塔の元に集っている。 IMG_8573.JPG 眉毛繋がってるのは、見てすぐにウズベキスタンだと分かった。 IMG_8582.JPG このデザインも、見ればどこの国かすぐに分かりますね。描かれているインド人と中国人とアラブ人… そして写っている人もヒント。 IMG_8635.JPG タバコといえばあの国ですね。 IMG_8627.JPG このクマは出オチですね。 IMG_8632.JPG これも出オチw IMG_8610.JPG 日本は他の国に比べて地味なデザイン。う〜ん…今の日本みたいだ。 IMG_8642.JPG 中国は、悪そうなくまのプーさんに拳法着を着させたデザイン。どこまでいってもパクるこの国の精神には呆れるというか、逆に感心させられた。 IMG_8793.JPG クマ巡りを終えて、セーヌ川沿いに立ち並ぶ古本市へ。 IMG_8776.JPG この市では、本以外に昔の広告やポスター、絵はがきなども売っている。興味深かったので、2時間くらい市をまわってお買い物♪ IMG_8773.JPG深夜特急」の装丁画でおなじみの、カッサンドルの作品もありました。 IMG_8785.JPG セーヌ川シテ島にたたずむ「ノートルダム大聖堂」を見て、この日のパリ散策は終了。 IMG_9235.JPG 翌日、朝一で「ルーヴル美術館」へ行ってみる。この日は久々の快晴。ちょっとだけパリが楽しくなってきた。 IMG_8809.JPG ピラミッドの内部からパチリと。朝早く来たおかげで、美術館にはすんなり入ることができた。 IMG_8829.jpg ルーヴル美術館では、作品の写真撮影が基本的に許可されている。これには正直驚いた。意外と寛容なのね。というわけで、ルーヴルを代表する名作「ミロのヴィーナス」を激写させて頂きました。 IMG_8836.JPG こちらの部屋では古代ギリシア古代ローマ時代の石造彫刻が数多く展示してある。 IMG_8849.JPG どれも保存状態が良くて美しいです。 IMG_8855.JPG ん?なんだよ、こっちみんなよ…ってツラしてますね。 IMG_8906.JPG こちらはクッションまでもが、精巧に石造彫刻でできている。柔らかそうに見えるから素晴らしい。 IMG_8928.JPG ふざけたおっさんもいました。 IMG_8857.JPG 古代エジプトヒエログリフIMG_8873.JPG スフィンクスなんかも展示してあります。とにかく館内は広い! IMG_8969.JPG 続いて、いよいよ美術コーナーへ。 IMG_8997.JPG 人だかりができていたのは「ナポレオンの戴冠」という作品。 IMG_8980.JPG 模写をしている人の姿もありました。 IMG_9095.JPG ドラクロワの名画「民衆を導く自由の女神」。これはあまりにも有名ですね。 IMG_9013.JPG さて、異常なほど人が溢れかえっているこの部屋に飾られている絵は一体なんでしょう? ルーヴルといえばもうアレしかないですよね。 IMG_9052.JPG 正解はもちろん、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「モナ・リザ」でした。 IMG_9058.JPG 近くでゆっくり静かに観たいのに、こんなに人がいたんじゃ絶対無理。と、そうこうしているうちに、バスの時間が迫ってきたので、この辺でおいとま。4時間近くいたけど全然時間が足りなかった。 IMG_9245.JPG というわけで、以上でパリ観光は終了。凱旋門をもう一度チラッと見てから、バスで次の目的地ブリュッセルへと向かった。

世界遺産 モン・サン・ミッシェル

ポルトガルの旅を終えたあとは、一気にフランスのレンヌへ。目的は、フランスが誇る歴史的世界遺産モン・サン・ミッシェル」。もともと修道院だったこの建物は、イギリスとの百年戦争時に要塞として、その後フランス革命時には牢獄として利用されたという。そんな一風変わった修道院モン・サン・ミッシェルを訪れた。 IMG_7910.JPG レンヌまでは、ポルトからユーロラインの国際バス(98€)で所要24時間。インド以来、久々の大移動である。ライアンエアーなどの格安航空を利用すれば、より安く、より早く行けたのは分かっていた。だがいくら時間がかかろうとも、やはり陸路で行きたいのだ。 IMG_7915.JPG バスは12時間ほどして、スペインのブルゴスという町に到着。ここでバスを乗り換える。ポルトの気温は20℃ほどだったのに対し、ブルゴスは4℃という極寒。すぐに冬着に着替えてバスに乗り込んだ。 IMG_7918.JPG レンヌには予定時刻より2時間も早く到着。早速、泊めていただくカウチホストのお宅へ歩いて向かった。 IMG_7922.JPG 彼が今回カウチにお世話になったレンヌ在中のフランス人、ジョナサン。日本で働くことを夢見て日々、日本語を勉強中のウェブマスター。彼もモン・サン・ミッシェルに行きたいというので、早速、一緒に向かうことにした。 IMG_7923.JPG レンヌのバスターミナルに着くと、既にモン・サン・ミッシェル行きのバスに行列ができていた。さすが人気の観光地。ちなみに、レンヌ発 モン・サン・ミッシェル行のバスは、9:30、11:40、12:50、16:45の1日4便で、片道12.1€。 IMG_7933.JPG 1時間20分バスに揺られ、モン・サン・ミッシェルに到着。まるで要塞のような外観だ。 IMG_7940.JPG ジョナサンは子供の頃、一度だけモン・サン・ミッシェルに行ったことがあると言っていたが、昔のことなのでほとんど覚えてないらしい。 IMG_7951.JPG 門をくぐって早速、中へ。修道院まで続く「グランド・リュー通り」には、たくさんの土産物屋やレストランが立ち並んでいる。 IMG_7958.JPG 途中にある「サン・ピエール礼拝堂」の前に立つのは、イギリスとの百年戦争において、フランスを救った英雄「ジャンヌ・ダルク」。 IMG_7968.JPG 教会内のシャンデリアとステンドグラス。 IMG_7980.JPG チケット売場は案の定大行列。20分ほど並んでチケットをゲット。 IMG_7988.JPG 1時間後に無料の英語ガイドツアーが始まるというので、それまで町に戻って昼飯を食べることに。 IMG_7991.JPG モン・サン・ミッシェルでは、ふわふわのオムレツ(20€もする)が名物らしい。宿代はカウチで浮いているので、奮発して食べてみたが中身がスカスカでいまいち。普通のオムレツの方がなんぼかうまい。 IMG_8016.JPG 時間になったので修道院へ入場。英語ガイドツアーは人数が満たなかったので、結局フランス語のガイドツアーに参加。 IMG_8010.JPG まずは、西のテラスへ。写真はモン・サン・ミッシェルの周りに広がるサン・マロ湾。修道院があるこの小島はかつて、満ち潮の時には海に浮かび、引き潮の時にだけ道ができたという。そのため、かつては多くの巡礼者が満潮に流されて溺死したらしい。 IMG_8019.JPG 続いて修道院付属教会の中へ。モン・サン・ミッシェルは、966年に建設が始まり、数世紀にわたり増改築が繰り返され、13世紀になってようやく完成した。そのため、石で造られた天井の横に木製の天井があったりと、様々な建築様式が混在している。 IMG_8075.JPG 続いて「ラ・メルヴェイユ」へ。この建物は、当時の階級制度を反映した3層の構造になっていて、3階が聖職者、2階が裕福な巡礼者、そして1階が一般巡礼者の部屋に別れているゴシック様式の傑作。その装飾の美しさから「ラ・メルヴェイユ=驚異」と呼ばれているらしい。 IMG_8114.JPG こちらが2階にある「騎士の間」。当時は静かだったんだろうけど、今じゃ観光客の騒ぎ声で雰囲気が台無し。 IMG_8147.JPG 次に向かったのは、木製の大車輪があるお部屋。かつて、この車輪の中に人が入って動かし、荷物の上げ下ろしをしていたという。 IMG_8149.JPG けっこうな高さである。 IMG_8151.JPG ノルマンディーに後光の光が差し込む。 IMG_8199.JPG そろそろ最終バスの時刻。修道院をあとにし、バス停へ急ぐ。 IMG_8241.jpg 最終バスは17時15分。これを逃すと帰れない。レンヌに戻った後は、ジョナサンにレンヌの旧市街を案内してもらいつつ帰宅。今日はなかなか有意義な一日であった。久々に2人で行動したけど、たまにはいいやね。英会話の練習にもなるし。レンヌには1日だけ滞在。翌日、ジョナサンに別れを告げ、華の都パリに向かった。

ポートワインの名産地 ポルト

リスボンをあとにし、次に向かったのは、ポルトガル第2の都市ポルト。世界的に知られる「ポートワイン」の産地として有名なこの町には、数多くのワイナリーが点在しているという。これは行くしかない。というわけで美味いワインを求め、世界遺産にもなっている町ポルトを訪れた。(*写真はドウロ川沿いのポルトの町並み) IMG_7419.JPG ポルトまでは、リスボンからバスで所要4時間、料金は19€だった。 IMG_7433.JPG ポルトのバスターミナル到着後、歩いて宿に向かう。写真はポルトの町並み。 IMG_7453.JPG この町も坂道が多く、市内には小さな路面電車が走っている。 IMG_7465.JPG ポルトでは「Wine Histel」というホステルに宿泊。4人部屋ドミトリーで一泊10€。この宿では、名前の通りワインを試飲することが可能だ。 IMG_7518.JPG さて、ポルトといえばなんといってもポートワイン。これを飲まずしてポルトは語れない。早速、ワインを求めてドウロ川沿いのワイナリーへ向かうことに。 IMG_7534.JPG ドウロ川沿いに立ち並ぶカラフルなレストラン。 IMG_7538.JPG えさを狙うカモメたち。 IMG_7552.JPG そよ風に乗って潮の香りが漂う。なんとも穏やかで心地よい陽気だ。 IMG_7548.JPG 昼寝をする御仁。きっとワインを飲み過ぎたんだろう。 IMG_7597.JPG ポルトのシンボル「ドン・ルイス1世橋」を渡り対岸へ。 IMG_7589.JPG 対岸から眺めたドウロ川の風景。 IMG_7626.JPG まるでおもちゃの家のようだ。 IMG_7758.JPG 橋を渡った先には、17ものワイナリーが店を構えている。ワイナリーの楽しみといえば、なんといっても試飲。これに尽きる。早速、宿のスタッフに勧められた「CROFT」というブランドのワイナリーへ足を運んでみることに。 IMG_7683.JPG このワイナリーでは、工房の見学ツアーを無料で開いているようだ。次の英語の見学ツアーまで、ワインを試飲しながら待ってみることに。 IMG_7675.JPG 試飲は最初の1杯はサービス。2杯目からは有料というシステムのようだ。とりあえず、白ワインを一杯いただく。う…マジでうまい… 何なんだこのワインは… ちょっとしたカルチャーショックだ。大げさに思われるかもしれないが、今までに飲んだワインの中で一番ウマいかも… IMG_7700.JPG 銘柄にもよるが、ビンテージもの(高いので手が出ませんでした)以外の試飲料は、一杯1€程なので全銘柄を試飲させてもらった。甘いんだけど安っぽくない。それでいて新鮮な感じ。これが芳醇な味わいってやつか?ソムリエではないので表現が単調で申し訳ない。 IMG_7778.JPG そうこうしているうちに見学ツアーが始まったので、ほろ酔い気分で工房内へ。 IMG_7817.JPG ワインが詰まったタンクの周辺は、ワインの香りが充満していて、さらに酔ってしまいそう… IMG_7798.JPG 見学ツアーでは、ポートワインができるまでの行程をガイドさんが丁寧に説明してくれたんだけど、ほとんど聞いていない。酔っちまったなこりゃ。 IMG_7786.JPG ワインの酒樽がずらっと並ぶ工房内。 IMG_7820.JPG ローアングルからパチリと。ガイドの話をろくに聞かずに、こんなことばかりやってました。 IMG_7823.JPG 見学後には、またまたワインの試飲が待っていた。ラッキー♪ IMG_7680.JPG せっかくなので、実家のお土産としてポルトワインを購入。ポルトの郵便局から日本へ送ろうとしたら、ワイン一本だけなのに郵送料が27€もかかった。これは痛い… けど持ち歩くのは難なので仕方ない。 IMG_7838.JPG ポルトはこれまで訪れたヨーロッパの町のなかで、ベスト3に入るくらい居心地のいい町だった。ポートワインの味もさることながら、町のゆったりとした雰囲気とポルトに住む人たちの優しさに心が洗われた。そういえば、この旅で知り合った日本人バックパッカーの何人かに「ポルトは絶対行くべきだ」と勧められたのを思い出した。その意味が今わかった気がする。この町はマジでいいね。

港町リスボンとシントラ

ラゴスの次に向かったのは、ポルトガルの首都リスボン。かつて15世紀には、世界貿易の中心都市となり、幾多の冒険家たちが夢を抱いて新大陸を目指し旅立っていった出発の町でもある。そんな大航海時代の面影を残す港町リスボンを訪れた。(*写真はリスボンの町並み) IMG_6586.JPG リスボンまでは、ラゴスからバスで所要4時間、料金は20€だった。 IMG_6591.JPG リスボンでは「Passport Lisbon Hostel」というホステルに宿泊。8人部屋ドミトリー(Wi-Fi、朝食付き)で一泊10€。部屋もリビングルームもきれいで快適。朝食も食べ放題でGood! IMG_6614.JPG 早速、リスボンの町を散策。写真はフィゲイラ広場。 IMG_6652.JPG 町中を走るリスボン名物の路面電車IMG_6670.JPG 一両編成の路面電車は、おもちゃみたいで可愛いらしい。 IMG_6764.JPG 長い坂道をのぼって、丘の上にある「サン・ジョルジェ城」へ行ってみる。 IMG_6710.JPG 城の入口では、セネガル人の商人に無理矢理ブレスレットを巻き付けられた。要らないというと、日本人は好きだからタダでくれるという。オブリガード、と言って立ち去ろうとすると、ジュースが飲みたいから2ユーロくれとせびられた。なんなんだよ一体… IMG_6727.JPG 城の上からはリスボンの町並みを一望することができる。 IMG_6853.JPG オレンジ色の屋根がいっぱいのリスボンの町並み。 IMG_6817.JPG 穏やかな雰囲気が漂うテージョ川の風景。川なのに海のようにでかい。 IMG_6786.JPG 城塞にはためくポルトガル国旗。中央に描かれているのは、大航海時代の航海用具、天測儀。 IMG_6910.JPG 土産屋さんで見かけたニワトリ。ポルトガルのシンボルらしい。 IMG_6954.JPG テージョ川の堤防。冒険者たちはここから川を辿り、大海原へと旅立っていったのだろうか。 IMG_7405.JPG リスボン2日目は、郊外にある世界遺産の町シントラに足を伸ばしてみる。シントラまでは、リスボンのロシオ駅から列車で所要40分ほど。料金は往復で4.6€。 IMG_7069.JPG シントラの駅に到着後、1時間ほど山道を歩いて世界遺産の「ペーナ宮殿」へ。写真は途中に見えた「ムーアの城跡」。 IMG_7080.JPG ペーナ宮殿は、1836年にポルトガル女王マリア2世の王配フェルナンド2世により建てられた宮殿。イスラム、ゴシック、ルネサンス、マヌエル様式などさまざまな建築様式が混在した独特な外観となっている。表現が悪いかもしれないが、初めてペーナ宮殿を見たとき、廃墟となった田舎のラブホみたいだなと思った。 IMG_7252.JPG ちなみにこの宮殿の建設を命じたフェルナンド2世は、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城(シンデレラ城)の建設を命じたルートヴィヒ2世といとこ同士らしい。奇抜な建物が好きな血筋のようね。 IMG_7270.JPG 城門の上に立ち塞がるのは、海の神トリトン。ラスボスみたいだ。 IMG_7352.JPG 宮殿内の庭園にもおぞましいモンスターがたくさんいた。 IMG_7383.JPG こんなのとか IMG_7367.JPG こんなのとかね。 IMG_7212.JPG 宮殿から見えたシントラの風景。あの向こうにはユーラシア大陸最西端のロカ岬がある。ここからバスで行こうと思えば行けたのだが、数日前に「果ての岬」を見たばっかり。あえてまた果てを見に行く必要もないと思い、おとなしくリスボンへ帰ることにした。 IMG_7037.JPG 晩飯はアジの塩焼き。リスボンは魚料理が抜群にうまいやね。値段も思ったほど高くなくて、この定食で500円くらい。ワインもサイゼリヤ並みに安い。 IMG_7406.JPG リスボンに滞在した2日間は、あいにくの悪天候続きではあったが、町を走る路面電車や、やたらと多い坂道、汽笛を鳴らしながらテージョ川を行き交う汽船など、風情ある町の風景はとても印象深く心に残った。今度リスボンに来るときがあれば、夏の青い空の元に訪れてみたいね。

THE END OF THE WORLD

スペインの旅を終え、次に向かったのはポルトガルの南の町、ラゴス。そして、ここからさらに西にある港町、サグレスへと向かった。この町を訪れた目的はただひとつ。深夜特急沢木耕太郎が「果ての岬」と呼んだ場所を、この目で確かめてみたかったからだ。 IMG_6245.JPG セビーリャからラゴスまでは国際バスで所要6時間。料金は21€。スペインとポルトガルの国境では、警察によるパスポートチェックがあった。 IMG_6582.JPG ラゴスでは「JJs Yard」というペンションに宿泊。6人部屋ドミトリー(Wi-Fi有り)で一泊11.5€。ご主人のJさんはとてもフレンドリーで親切な方だった。 IMG_6252.JPG バスターミナルで時刻表を確認したところ、ラゴス〜サグレス間のバスは、大体1時間に1本ほど出ているようだ。というわけで、早速バスに乗ってサグレスへ向かった。 IMG_6263.JPG バス(片道3.8€)は1時間ほどでサグレスに到着。バスを降りると、海の向こうに出っ張った岬が見えた。あれが例の「果ての岬」なのだろうか。 IMG_6262.JPG でも反対側にも似たような岬があるんだなこれが。一体、最果てはどっちなんだ? IMG_6285.JPG どっちに行こうか迷っていると、同じバスに乗ってきたオーストラリア人のパッカーカップルが「多分あれじゃね?」と、バスを降りて最初に見えた岬を指差して言った。 IMG_6287.JPG 彼らも、もちろんサグレスに来た目的は、果ての岬を見に行くため。それならと一緒に岬へ向かうことにした。 IMG_6321.JPG 岬を目指しながら崖沿いを歩いて行くと、城門みたいなところに到着。入場料3€。う〜ん、何か違うような… まぁとりあえず入ってみよう。 IMG_6330.JPG 中に入ると、まっすぐに伸びる道があり、その先には灯台らしき建物が見えた。 IMG_6390.JPG 歩くこと10分、灯台に到着。なんか寂れてんなあ。 IMG_6375.JPG さらに数分歩いて「果ての岬」に到着。しかし、いまいちしっくりこない。灯台も岬の結構手前にあったし、人もまばらだ。 IMG_6441.JPG 確認のため、近くにいた釣人に尋ねてみると、ここは昔、要塞があった場所で「果ての岬」ではないという。じゃあさっき反対側に見えた岬なのかと尋ねるが、それも違うらしい。 IMG_6438.JPG 釣人は西の方角にうっすらと見える陸を指差し、こう言った。 That is "The end of the world" 直訳すると"世界の終わり"。なんてCoooolな名前を付けやがるんだこの釣人は。霧がかっていて気づかなかったが、確かに遠くに細長い陸が見えた。でもここからかなりの距離だ。 IMG_6486.JPG ラゴスへの帰りの最終バスの時刻は19時35分。まだ3時間半ある。ここまで来たら行くしかないっしょ! というわけで、町で見つけたレンタサイクル屋で自転車を借り、早速向かうことに。 IMG_6487.JPG レンタサイクル屋の親父の情報によると「ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド」までは自転車で20分程らしい。とりあえず、岬目指して突っ走る。 IMG_6498.JPG が、遠くに見える岬に目を奪われ、気づいたら道を外れて崖に出てしまった。長く旅を続けても、生まれつきの方向音痴は治らない。 IMG_6508.JPG なんとかメインロードまで戻り、約40分かけて「サン・ヴィセンテ岬(通称 果ての岬)」に到着。町から岬までは舗装された道路を辿って行けば、迷うことはなかったのだ。 IMG_6555.JPG ちなみに、今僕はここにいる。 IMG_6522.JPG 岬の灯台へ行こうとすると、入口で係員に止められた。なんと、灯台は17時で閉まってしまうらしい。ただいまの時刻は17時4分。ここまで来たのに!ちょっとくらいいいじゃんか…ケチ! IMG_6524.JPG 仕方ないので、外側から灯台を眺めて、しばし感慨にふけってみる。。。ここがユーラシア大陸最西南端。もうこれ以上、陸路で西へ進むことはできない。そして遥か海の向こうには、コロンブスが目指したアメリカ大陸があるのだ。 IMG_6539.JPG ユーラシア大陸を横断して今日で291目。ようやくここまでやって来た。沢木耕太郎は、この海を眺めて旅の終わりを感じたという。僕の旅もそろそろ潮時かな… さあ、旅の終着地ロンドンまで行って、日本へ帰ろう。

闘牛とフラメンコの町 セビーリャ

グラナダの次に向かったのは、アンダルシアの州都セビーリャ。この町には特に興味があったわけではなく、次の目的地であるポルトガルラゴスに向けての起点として立ち寄ったまで。そしてスペインの旅もこの町が最後となる。(*写真はマエストランサ闘牛場) IMG_5700.JPG セビーリャまでは、グラナダからバスで所要3時間、料金は27.18€だった。 IMG_5709.JPG セビーリャのバスターミナルに到着後、歩いてイサベル橋のたもとにあるフラメンコ像へ向かう。ここで今回滞在させて頂くカウチホストと待ち合わせ。 IMG_5718.JPG 彼が今回、カウチにお世話になったニコスさん。セビーリャ在中の陽気なギリシャ人だ。腹が減っていたので着いて早々、遠慮もなくパスタをご馳走になった。 IMG_5721.JPG パスタを食べていると、ニコスさんに「カバ丸みたいだな」と言われた。カバ丸って何?と尋ねると、ニコスさんが子供の頃、ギリシャで「伊賀野カバ丸」という日本のアニメを見たことがあって、その主人公カバ丸の好物がパスタなんだと。全然知らないや。そんなことより、25年前に既に日本のアニメがギリシャに輸入されていたとは驚きだ。 IMG_6214.JPG セビーリャ到着時に、バスターミナルで翌日のラゴス行きチケットはゲットしたので、あとはのんびり過ごすだけ。さて、どこに行こうかね。 IMG_5727.JPG 歩き方の情報によると、セビーリャにはスペイン最大のカテドラルがあるらしい。それならと行ってみることに。 IMG_6024.JPG このカテドラルは1401年にモスクがあった場所に建設が開始され、約1世紀をかけて1519年に完成したという。そのため、イスラム教とキリスト教カトリック)が融合した異質な建築デザインとなっている。 IMG_5818.JPG せっかくなので8€払って聖堂内へ入ってみる。スペイン最大といわれるだけあって、天井がすごく高く感じる。 IMG_5856.JPG 聖堂内のステンドグラス。 IMG_5924.JPG どれも鮮やかで美しい。 IMG_5914.JPG カテドラルに安置されているコロンブスのお墓。当時スペインを構成していたレオン、カスティーリャ、ナバーラ、アラゴンの4人の国王がその棺をかついでいる。この国の繁栄も、彼の功績無しでは有り得なかったのかもしれない。 IMG_5995.JPG カテドラルを出て、隣にあるヒラルダの塔に登ってみる。写真は塔のてっぺんから眺めたセビーリャの町並み。 IMG_6003.JPG ヒラルダの塔の高さは97m。塔のてっぺんの鐘楼には、鐘が28個もある。ここで鐘が鳴ったら鼓膜が破れるかもしれないな。 IMG_5985.JPG 塔の上からは闘牛場らしき円形状の建物が見えた。そういえばセビーリャは闘牛の本場らしい。よし、行ってみるか。 IMG_6062.JPG 闘牛場の近くには闘牛士の像が立っている。 IMG_6063.JPG 闘牛場に到着。早速、中に入ってみる。 IMG_6071.JPG 残念なことに、ちょうど10日前に今シーズンの闘牛は終了したという。次回は来年の4月から10月の中旬まで開催されるようだ。闘牛見たかったな… IMG_6073.JPG 闘牛はやってなくても、博物館は見学可能とのことなので入ってみることに。 IMG_6088.JPG 見学は強制ガイド付きで6.5€。1時間に1回、見学ツアー(約40分)が開催される。まず最初は闘技場を見学。牛がいなくて寂しいが、実際の闘技場が見れてちょっと興奮。 IMG_6120.JPG もう一度言う。闘牛見たかったな… IMG_6151.JPG 続いて博物館内へ。ガイドさんはスペイン語と英語で解説してくれるが、ほとんど話を聞いてなかったので、内容はあまり覚えてない。唯一覚えているのは、1回の試合で闘牛士に支払われるファイト料は、2,500ユーロ(約25万円)ということだけ。 IMG_6184.JPG これが闘牛さんの待合室。いわゆる楽屋だ。 IMG_6182.JPG そして、この扉から闘牛さんは舞台へと上がるのだ。やっぱ闘牛見たかったな… IMG_6195.JPG 闘牛場の帰り道、フラメンコの看板を見かけた。 IMG_6199.JPG そういえば、セビーリャはフラメンコの本場でもあるらしい。よし、今夜行ってみるか。 IMG_6220.JPG カウチに戻り、ニコスさんおすすめのフラメンコを聞いてみると、近所のバル(BAR)で見れるという。観光客が行くようなところは行きたくなかったのでちょうどよかった。 IMG_6230.JPG 夜になり、ニコスさんと、自分と同じカウチサーファーとして滞在していたフランス人のレティシアさんと三人で、近所のバルにフラメンコを見に行く。が、しかし、この日は月曜ということもあり、フラメンコをやっているバルは全てお休み。マジか〜!フラメンコ見たかったな… IMG_6238.JPG 仕方ないので、近所のバルにて一杯60円程のビールを煽って帰ることに。あ〜闘牛もフラメンコも見れないなんて、ツイてなさすぎ。まぁいい、スペインにはまたいつか来よう。セビーリャはたった一日の滞在だったが、ニコスさんとレティシアさんのおかげで楽しく過ごすことができた。そして翌朝、お世話になったニコスさんに別れを告げ、早朝の便でラゴスへと旅立った。